太田省吾「千年の夏」「午後の光」「棲家」
「千年の夏」
夏のビーチでの、男の話
男と女の話?愛の話?
麻の上衣(男)と双眼鏡(男)、ちょっと間抜けな会話が面白い。
ページを開いたときに感じた「難しいのでは…?」という期待を裏切り、くすりとする場面もありました。
「午後の光」
この3つの作品の中では一番好き。老夫婦のお話。
老人を演じる俳優のエッセイの引用からはじまる、俳優から、役へ、どのように移行して行ったのか実際の舞台を見てみたくなった。
「棲家」
「午後の光」と似たテーマだと思う。こちらも老夫婦の話。
布団を二組敷く、その間の距離で揉めたりする、「午後の光」でも思ったがなんだかこの戯曲に出てくる老父婦は可愛い。
巻末の公演記録を見ると、「午後の光」と「棲家」の老人は同じ俳優さんが演じられたようです。なるほど、それで感じる雰囲気が似てる、というのもあるのかも(当て書きかどうかはわからないけど・・・)
太田省吾といえば高校生のときにNHKで深夜に放送されてた演劇の番組で「水の駅」*1を見た記憶があります(うろおぼえですが)、なので「難しいんでしょ」と思っていました。意外とわかりやすくて楽しんで読めました。
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*1:全編セリフなしの舞台「駅シリーズ」のひとつ